渡り鳥になりたい

最初からミニマリストな理系大学院生(博士課程)の日常

最速で学生実験のレポートをそれなりに仕上げる方法【理系大学生向け】

学部生時代、いつもレポート類は前日か、下手したらお昼提出〆切なのにその日の朝からしか取り組んでいなかった秋(シュウ)です。それでも良い評価しかとってなかったので不思議ですね...

時は流れ、レポートを提出する側からいつの間にか採点する側になったので、 両方の立場から感じたこと、理系の大学生向けに少しはためになる(?)ような記事を書きたいと思います。

といっても「正しいレポートの書き方」なる本は世の中にたくさん出回っていますので、自分に合うものを探してください。

 

↓ちなみに秋のオススメはこちらから↓ 

新版 理系のためのレポート・論文完全ナビ (KS科学一般書)

実験レポート作成法

 

なので私は、私にしか書けない記事「どうやったら短い時間でレポートをそれなりに仕上げることができるのか」をまとめたいと思います。

あくまで「小手先テクニック」ですからね?

応急処置的に使えばそれなりに役立つでしょうし、全部のことを100%頑張らなくてもいいとは思いますけど、こういうのばかり使ってるといつか絶対つまずきます。

身をもって体験した人がここにいますからそれは間違いないでしょう。

 

↓秋の過去が気になる方はこちらから↓

 

「そんなこと言ってももう明日提出なんだけど...」「このままじゃ単位がヤバイ...」という方はどうぞ最後までスクロールしてくださいな。

レポートにもいろいろありますけど、今回は「学生実験のレポート」にフォーカスして話をしたいと思います(需要があれば他のも書きます)。

 

 

前提として採点側は一部につき5分も読まない!

書く側から見ればレポートは一部ですよね。

「他の授業のも被って…」「今期末なんだけど…」という嘆きも聞こえそう(というよりこの時期は学食なり図書館なりで実際に嘆いてるグループ見かけるし)ですが、それはひとまず置いときましょう。

 

課題の量にもよりますが、私が今担当している学生実験は、2日間の午後に渡って(化学の合成系)取り組んだものをまとめて、プラスいくつか設問(反応のメカニズムや、使用機器の原理に関するもの)に答えてもらうものです。

簡潔に最小限をまとめればレポート用紙5枚分の内容ですが、たいていは10枚前後になります。

変わった人になると関連することをアレこれ調べて、びっしりした字で20枚以上持ってきます。なぜか毎年絶対一定数いるので不思議です。

良いんですよ?勉強熱心なのに越したことはありません。素晴らしいと思います。

ただね、それが自分の担当になったら、やっぱり「うわぁ…」とか思いますもん。

テンション下がりますもん。めんどくさいですもん。

 

じゃ、一部10枚だとしましょうか。

書く方から見るとこう。

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同じ実験を同時に受けた人は何人いますか?

30人?50人?  

積み重ねるとこうなるっしょ!

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で、これを数日の間に採点して返さなきゃいけないわけです。

先生が1人で見てるところもあるかもしれませんが、一般的には院生たちが分担してやると思います。

これにつきっきりというわけにもいきませんからね。他にも雑用いろいろですし、私だって学生ですから、自分のことに忙しいんです。

 

5分というのは私が見ている時の平均スピードですね。
丁寧な人はもっと細かくチェックしてるかもしれませんけど、少なくとも私の周りの人はもっと短い印象です。
学年が上な人ほど、毎年の授業内容もレポート課題もほぼ同じ内容ですから、さくさくとページをめくるわけですよ。

 

うちの先生も時間のある時はチェックしてますが、それこそ10枚ほどのホッチキス留めされたものを、ペラペラーとめくって、
「うん、良いんじゃない?」
「あぁー、これは再提出だな。」
と判断しています。この間1分未満。

 

ですからね、見てはいるが、読んでは無いんです。
というより、内容なんてどうでも良いんです。

 

学生実験というのはある種のテンプレです。

「うまくできる」と予め分かっている実験を(裏で予備実験とか使用物品の準備やるんです)、テンプレート通りにやっていきます。

 

失敗したとか、収率が低いとか、そういう面に実験者の関心がいきがちですけど、別にそこが本質ではありませんし、評価に直結するものでもありません。

実験のテンプレートを身をもって体感してもらうことが目的であり(百聞は一見にしかず、テキストをいくら読んでも…ね)、実験レポートもその内容でなく、「どのようにまとめるのか」とテンプレートを覚えて欲しいのです。

体裁を整えろということですね。

 

考察もサイエンス的に間違ったことを書かれると再提出にしますが、「あり得る可能性」の中であれば何を書いても良いんです。

 

不必要な部分 : 長ければ良いってわけではない

「長いレポートだから評価が良くなるだろう」という認識はとりあえず間違ってます。

長いからって減点はしませんけど、だからって加点もしません。

 

むしろ「短いのに的確に書く」方が難しいです。これを説明しないとツッコミ来るな…と思いつつ圧縮せざる場面もあります。

学会発表の予稿集など、A41枚に研究の背景実験手順に結果考察まで書きますからね。

論文も長い方が書きやすいんですよ。まぁ…通るかは別にして。

これは余談ですけど。

え、秋のこの文章が長いって?早く本題が知りたいって?

良いんです。これはレポートじゃなくて読み物ですから!

 

そうそう、レポートの場合は言いたいことを段落の一番最初に持って来るんですよ。

「こうこうこうして、こういうことにより、こうなったから、結果はAだった」ではなく

「結果はAだった。なぜならば〜、それを防ぐには〜」の方がスマートでしょう。

良いんですけどね、前者でも。

 

 

さて、本題。

以下「よく書く人いるけど、実験レポートに不必要な部分」を列挙します。

それぞれの実験の説明で「これも書け」と指定された場合はちろんこの限りではありません。

 

・使った装置の原理

分からない単語が出てきても、

手順の項では「Aを使って分析した」で良いです。

考察に書くものでもありませんので、原理は後で自分で調べてください(ていうと、やらんよな…)。

 

・操作手順のフローチャート

あると分かりやすいですよね。

でもちゃんと作ろうと思うと大変ですし、下手に矢印を間違えるとあれですから、時間がない場合は無くて良いです。

 

・途中の操作の観察結果

これもあった方が良いですかもしれませんが、最終的な結果が分かれば良いと思います。

1つ1つの手順の意味、そこでおこっていることを細かく記録し考察している人のレポートは感心します。

が、時間がかかるのでこれも必須ではないです。

 

・他の班との結果比較

「自分の収率これくらいだったが、隣の班はその2倍だった。その原因として考えられるのは〜」

実験者として良い心がけですし、本来の実験であれば必須となるものです。

が、学生実験では良いです。考察も自分のところだけで考えて良いです。

他と比較して本来はポジティブなデータでも、自分でネガティブなデータとして扱って改善点を考察するのでも良いですから。

 

・温度と湿度などの環境情報

そういうのにシビアな実験は必要ですが。

考察に空気中の水の影響などを書きたい場合もあった方がいいでしょうけど。

 

・説明のためのイラスト

これはなかなか無いと思いますが…

しかも上手いんですよね(じゃなかったら描かないっしょ)。

写真をとりたくなる欲求を抑えて、普通にスルーします。

 

 

枚数が少なくて嫌な人は、レポートの幅の広いものを使う、一行おきに書くなどしてください。

細かい字でびっしり書かれても見辛いんですよね…

一行おきは、私は好きです。

 

手を抜いて良い部分 : どうせ見ない

 

・実験目的

テキストに書いてあればそれをまとめて。

最後に「この実験を通して〇〇の基本技量を学ぶこと。」などはテンプレートですよね。

 

・使用器具/使用試薬

「書き忘れがあるんじゃないか…」と不安になって周りと確かめなくても、見ませんから。

さすがに実験のメインのものを書き忘れとあれですけど、細かいものはこっちもチェックする気ないので安心(?)してください。

 

・操作手順

テキストに概要は書いてますよね?

それを短い文章に区切って順に書きます。

ほぼ丸写しで良いけど、文章を過去形にするのを忘れずに。

 

見るところ : ココだけは押さえよう

 

・図表、計算もの

図は下に通し番号、表は上に通し番号、ってこれくらいは大丈夫ですよね?

特に結果項のものはしっかり見ます。一番チェックしてます。

単位がおかしいとか有効数字がおかしいとかは結構目立ちますので、書き終わってから自分で点検してください。

 

・考察

内容がどうこうではなく、考えようとしているかです。

一番の手抜きバージョンは、

「実験がネガティブであると判断し、それの要因や改善点を探る」ですかね。

流し読みで、文章の前後が繋がってるか、などを見ます。

接続詞の使い方に気を配るとやりやすいと思います。

「〜と思う。」などの口語表現がうっかり混じってないかは確かめて。

 

あると感心する : これで周りと差がつくかも?

先ほど「不要な部分」であげたものを、考察の項に書いてあると感心しますので、参考にしてください。

でも、ここは時間の無い人向けのページですよね。なので、ちょっとの手間で差がつくものをあげときます。

 

 

・レポートの最初に要約

「こういう実験をした。結果はこうであり、こう考えた。」

2、3文で要約されてるとこれから読む人が楽です。

 

私は毎回書いてましたよ。そんな配慮ではなく「これから自分が書くものの見出しをつけて、書きやすくしたいがため」という理由でしたけど。

こういう文章も先に見出しを決めて、肉付けしているのですよ。

 

・図表にキャプションをつける

良いんですよ、別に「表3 実験結果」でも。

一言説明文があると分かりやすいです。

 

・参考文献を複数あげる 

調べたんだな、と伝わります。

ネットでも良いんですけど、やっぱり本の方が印象は良いんじゃないですかね?

忘れさられる率が高いですけど、そのテキストブックも参考文献ですよ。

 

注意 : コピペダメ、参考文献もちゃんと選んで

散々言われるかもしれませんが、コピペはダメです!散々言うのは、それでもやる人がいるんですよ。

別に「分かんないっしょ」と思います?

考察まで読めば書き手の文章のクセはある程度分かります。そこから設問の項で、他人の文章を持ってきても違和感ありますから。

それと、他の人と丸かぶりなのも、サクサク読んでますから、記憶してます。

 

それでも思います?

設問なんて答えが決まってるから、みんな同じになるじゃん。と。

でも、同じ実験してますから、実験目的も操作手順もみんな同じになるはずなのに、文章違いますよね?

そういうことです。自分の言葉で書いてください。

 

オススメとしては写したい文章を見つけたら、ざっと読んで暗記します。

記憶力のすごい人を除いて、数度読んだだけでは覚えきれませんので、その状態でレポートに向かって書きます。

一度自分の中に入って、自分の記憶になったものを書くのはコピペとは違いますから。

 

これで理由を納得しなくてもやっつけは出来ちゃいますけど、納得するまで考えなきゃいけないのが本来ですからね?

後でちゃんと調べるなり質問しましょうね。私は一度気になりだすととことん気になるタイプですから、ここに関しては大丈夫でした(たぶん)。

 

参考文献もネットの情報でも可なのが、一般的になってきているでしょう。

人にもよりますけど、うちはウィキペディアも可、とはなっています。

ただ、「検索した日付も書きましょう」と説明はしています。

 

参考文献における、書籍とネット情報の信用度の差は何でしょう?

「簡単に書き換えできるかどうか」です。

だから、ネット情報でも「政府や各機関の発表する統計データや実験データ」は信用度が高いです。

企業発表のデータも良いでしょう。装置の原理は結局、製造メーカーがまとめているのが一番詳しいですし分かりやすかったりします。

私も利用しています。

 

ただね、ウィキペディアとか個人サイトはどうかと思いますよ?

化学系ですとケムステが有名ですけど、あれも結局は個人ブログの集まりですからね(よく読んではいるし、参考にはなるけど)。

その情報が正しい保証はありませんし、明日には真逆のことに修正されてる可能性もありますよ?

 

とりあえず言いたいのは、このサイトも今後いろいろと情報を発信していく予定ですけど、

間違ってもレポートの参考文献には挙げちゃダメですよ!

 

あとがき

以上、秋の役には立つ気がするけど、役に立っちゃダメっしょ、とも思う記事でした。 

シリーズ化するかは反響によります。

院生の日常の方が書きやすいので、「理系学生」のカテゴリー内でもしばらくはそっちですかね。

最後までお読みいただきありがとうございました。