渡り鳥になりたい

最初からミニマリストな理系大学院生(博士課程)の日常

なぜ大学の研究室で病んでしまうのか? - 毎年休学者が出る私の所属研究室より

新カテゴリー「メンタルヘルス」を作りました。

ここでは私、秋(シュウ)のうつ病を発症してからの、あーだこーだともがいた様子や、そこから考えたことを記録していく予定です。

↓カテゴリー設立の思いはこちらより。 

 

 

私の所属研究室では毎年精神を病む人がいた

はじめに断っておきますが、ここから書くことは全て私目線の話です。

キャッチーなタイトルをつけといて無責任かもしれませんが、一般論を分析するつもりはさらさらありませんし、記事を作成するにあたってネット等での情報収集も全くしておりません。

私の周りで病んでしまった人たちの考えを、日ごろの行動から想像しているだけであって、本人に直接聞いたわけではありません。というよりたいていは直接聞ける状態ではないですから。

そこのところをご了承ください。

 

さて、私の所属研究室を軽く紹介しておきましょうか。

ボスはそれなりに名の知れた方で、学内でも責任ある立場にあるようです。教育には力を入れている方で、学生からの人気も高く、毎年所属を希望するが定員の関係で入れない学生が続出です。私の代の時は倍率3倍くらいでしたっけ?

四年生からの配属が6名、ほぼ全員が院(マスター)に進学します。ドクターは年に1人いるかいないか、留学生やスタッフも含め、総勢30名前後、以上がラボの規模です。

 

所属を希望する三年生はもちろん知らないことですし、こっちから大々的に言うわけにもいかないことですけど、院に上がった段階でちらほらと休学者が現れてしまうのが現状です。

私の知る限りで、私以外に4名。卒業生の代にもいたようなことを聞きましたので「毎年1人いる計算」となります。

この中で関わりが薄い人もいるので、全員がそうだとは言い切れませんが、おそらく休学の理由は「精神を病んでしまった」からでしょう。

少なくとも私はそうですし、私と同期と1つ下の後輩はそうです。

休学してそのまま消息が消えてしまった人もいましたが、たいていはなんとか修士を取得して、なんとか企業に就職はするようです。その後は私は知りませんが…

まぁ中には修士号を取るのにギリギリだったにも関わらず「博士号を取りたい」と関係者に頭を下げまくって、「頑張りますから!」と宣言しといて基本的なルーティンすらままならない博士課程在学者がいますが(私のことです)、これはレアなケースでしょう。

そこらへんの思いは別の機会に語りたいと思います。

 

1/6(人)。この数値が一般的かどうかは知りませんが、私の学校の修論発表時での過年度生は毎年2、3人であることを考えると、過年度生が1つの研究室に集中していることは異常でしょう。

 

希望を持って研究室に所属したのに、学部生の時までは普通に過ごせたのに(少なくとも私は)、なぜ研究室に入ると病んでしまうのでしょうか?

 

今までと違い、頑張ったからって成果が出るわけではない

大学までの講義って「努力」を評価するのが風潮なのではないでしょうか。

レポートは時間と手間をかければ良いものに仕上がりますし、テストの勉強だって時間をかけて取り組めば自然といい結果となるのでしょう。

全く努力せずに評価を得てきた人もここにいますが、また別の話になりますのでここでは置いておきます。

 

研究は「真面目に取り組んだから成果が出る」と保証されたものではありません。

あたながオーバーナイトで実験を続けても、隣でちょいちょいとやっている人の方がいい結果になったりします。

系が上手くいかなくてあなたが論文を探しまくってる隣で、先輩の引き継ぎテーマを上手くアレンジして軌道に乗せちゃう人もいるでしょう。

「私はこんなに頑張っているのに、なんで…」という思考をする時点で病みコースに足を載せてると思います。

 

それと「研究に対するモチベーションの高い人」ほど、病みやすいように思います。

先ほどにも紹介しましたが、私の所属研究室に集まる人たちは基本的に研究が好きです。テーマに対しての期待値も高いです。

院に進む前提ですから「この3年間を通して、こういうことを成し遂げるぞ」とでっかい目標を持っていたりします。

 

えぇ、私もそうでしたよ。

でも今なら分かります。「そんな目標絶対ムリ!」であることが。

研究室全体で数十年単位で取り組んでいるテーマの中で、新人学生が加わってたかが数年で何ができますか?

もちろん中には意図せず、研究を飛躍させちゃうようなシチュエーションもあるかもしれませんが、狙ってできるものでもありませんし、期待をあげた分だけ、その後の落差は大きいのでしょう。

 

研究に対するモチベーションが高くなく、最初から四年で卒業する人は、ここではつまずかないでしょうね。

就職先が決まらずに病んでしまった別の研究室の同期も知り合いにいますが、それはまた別の話です。

 

同期や先輩との比較がダイレクトに分かる

先ほど「成果はすぐには出ないし、そもそも出ないかもしれない」と言いました。

しかし今の時代、すぐに成果を求めてしまうのが現状です。

これは先生方がよく愚痴っていることですけど、昔と比べて「現場に余裕がない」「大学が企業化している」そうです。

昔も企業の現場も私はよく分からないのですけど、みんなが口を揃えていうくらいですから、そうなのでしょう。

 

先生方はいろんな書類に追われているようです。やれ論文が何報出たか、やれ学会発表何件だったか。

成果が出ないとプロジェクトが打ち切りになっちゃうとか、予算獲得のために書類書類…のようです。

 

そんな環境ですから、指導学生にも成果を求めてしまうのは仕方がないことでしょう。

教官との一対一でしたら自分に対する指導に疑問を持たなくても、「他の人への指導の仕方が自分のとは違うんだ」これに気がついてしまうと精神的にダメージが来ますよ。

 

そんなことはないよ、と私は思うんですけど、「指導教官が私のテーマに関心を持ってくれない」「先輩のことが可愛いんだよどうせ」と私の同期は泣いていました。

その同期は最初は指導教官を慕っていたのに、次第に最低限の報告すらしなくて、ついには学内でもなるべく顔を合わせないよう逃げ回っていました。

指導教官の方もそれはそれで関わりづらくて、そっとしておいたら、「もう本当見放された…」と同期は絶望していました。

 

どちら側の気持ちも分かるし、両方から相談を私は受けていたんですけど、どうすることもできませんでした。

というよりも自分もいっぱいいっぱいで、周りを見る余裕なんてなかったです。

同じ代じゃなかったら、今の私だったら、この悲しいスレ違いを解消できたんじゃないかと思うと、もやもやは残ります。

まぁ、過去は変えられないので、未来に反省を生かしたいですね。

  

研究室メインの生活で人間関係が狭くなる

先ほどの例も「人間関係がこじれた」ことが決定打です。

そして、研究室に入ると人間関係は狭くなってしまいます。特に私の研究室はそうですね。学部生の時はサークルやバイトをいろいろやっていた人も、研究に専念したくて辞めてしまうようです。

研究室内でのイベントは盛んです。みんなで飲みに行ったら、研究室内でパーティーしたり、スポーツイベントや泊まりイベントもあって、それはそれは楽しいですよ。こういうのも人気の秘訣かもしれません。

 

でも研究室内での人間関係がこじれてしまうと、これらは全部苦痛以外のなにものでもありません。

サークルやバイトといった逃げ場がないですから、次第に「人と関わること」自体から遠ざかってしまいます。

これまた引きこもりコースですね…

 

学生ゆえにお金でストレス発散は難しい

社会人でも苦労の絶えない現場は多いと思います。私はまだ経験してないのであれですけど、学生という身分なんて所詮甘い時代なのかもしれません。

責任を取るのは結局は自分ではなく、先生方ですからね。保護された世界ですよ。

 

その分の対価として社会人には「給料」が発生するのではないでしょうか。残業すれば残業代が、休日出勤すれば手当が…まぁまともなところであれば、ですけど。

 

学生ですからね。

朝から晩まで研究室にこもっていても、給料が出るどころか学費を払う方ですからね?

お金が全てだとは思いませんし、そもそも私は多くのお金を必要としない生活スタイルを送っています。

しかし、「お金があることによって生まれる余裕」というものはあると思っています。お金は精神安定剤になる、と言いますしね。

 

先生方が優しすぎるゆえ、現状への不満は全て自分に向かう

そしてここが一番なんですけど、

私の研究室のボスも含めて先生方みんな、むちゃくちゃ優しいんですよ!

先輩や同期もそうですね、みんな良い人なんです。だから不満のはけ口が無いんですよ。

 

例えばボスが無茶な要求をしてくるとしましょう。

ムリなものはムリですから、みんなボスに対する不満が高まりますよね。

ドラマの中の呑み屋を渡り歩くサラリーマンよろしく、酒のつまみに同僚と散々上司の愚痴をいうわけですよ。

それがストレス解消になるんでしょうね。

 

本当に嫌だったら、逃げちゃうこともできます。

大学四年で就職しちゃうでも良いですし、院から別の研究室に移ることも可能でしょう。

 

でも、ムリな要求はしてないですし、何も成果がなくても感情的になることはないですから。

先ほどの成果の話はあれですからね、みんな自分の中で「これくらいできるだろう」と希望を持っといて、そこに届かなくて絶望する…みたいな。

決してブラック営業のごとく、一人当たりのノルマが設定されているわけではないですからね?

 

相談ごとにも丁寧に乗ってくれます。研究のことももちろんですし、プライベートな悩みまで聞いてくれますし、的確なアドバイスもいただけます。

だから、余計にプレッシャーになります。

「ここまで面倒を見てもらえたのに、私は全然何も成長してない、私は何もできない…」

あちゃー、発症してますね、こりゃ。

 

ちなみに私は今まだこの思考ループから抜け出せていません。

周りが優しければ優しいほど、自分の胸にトゲが刺さります。

人間って本当、めんどくさいですね。

 

あとがき

以上、メンタルヘルスに関する記事でした。

予想以上に、どっと疲れました…

私は全然まだ立ち直れていないので、書きながら苦い思い出がこみ上げてきます。

 

気が向けばまた書きますので、しばらくはミニマリスト関連の記事でお会いすることになるかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。